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トピックとお知らせ

子ども達が学んだこと、子ども達から学んだこと
〜日本の大学生、ラオス事務所でインターンシップ〜



8月13日〜27日まで学習院女子大学の学生4名が、ラオス事務所でインターン活動をおこないました。4名の学生は、当会ラオス事務所併設の図書館(ALC図書館)とヴィエンチャン都子ども教育開発センター(Children’s Education and Development Center=CEC)の2ヶ所で、子ども達にリコーダーを教え、最終日には合同の発表会を実施しました。


ラオスでは都会の一部の学校を除いて、音楽や図工・美術のような表現・創作活動を学ぶ教科が行われていません。それらの教科を教えられる先生がいないからです。そんな子ども達に、音楽を通して何かを成し遂げる達成感と自らの可能性を感じてもらいたいと、インターンの学生は”リコーダー教室”を行いました。

ALC図書館では、初めてリコーダーを手にする子ばかりで、小学生が10名ほど参加しました。CECでは、所有していたリコーダーの数に合わせ、最大40名参加可能と伝え参加者を募ってもらったところ、なんと初日には70名の子ども達が詰め掛けてしまい、さすがに4名では教えきれないので一部の子ども達には見学してもらうことにしました。


自信がないからとなりをチラ見しながら・・・


「できたね!」演奏後、満足げな表情の子ども達

ALC図書館の子ども達は、練習をはじめた頃は、ドレミを音階に乗せて歌うことができない状態でしたが、発表会ではなんとか「きらきらぼし」を披露。CECの子ども達は、「きらきらぼし」「聖者の行進」をリコーダーで演奏した後に、毎週の合唱教室で練習している「パクセーのバラ」「We are the world」「花」を堂々と披露しました。会場には父母の姿もあり、ビデオ撮影をするお父さんもいました。


CECの子ども達の合唱、小学生から高校生まで一緒に


インターンがリコーダーのメロディにのせ『マル・マル・モリ・モリ!』のダンスを披露


発表者全員で

インターンシップに参加した学生から感想が届きましたので、一部ご紹介します。

加藤香具弥さん(大学3年生)
このリコーダー教室の中で一番感じたことは、CECのような”子ども文化センター”の継続の重要性であった。ALC図書館では普段から本を読む以外にも折り紙教室や工作教室など様々なイベントが活発に開かれていた。しかし、CECの方がこのような活動をALC図書館よりも長い間行ってきた。この年月の差が子供達の表現力に大きく影響していたように感じた。
CECの子供達は自分の思うことや考えることを素直に言葉以外のもので表現できる力をもっていた。この力はリコーダーを演奏する上でも現れていて、ただ指使いを覚えて吹くだけではなく、自分が聞いて感じた曲の綺麗さやリズムに近づくように一生懸命練習していた。もちろん、ALC図書館の子供達も上手に演奏できるように練習していた。しかし、CECの子供達はALC図書館の子供達よりも表現するということに秀でていた。
また、CECの子供達は今まで経験したことのない新たなことにチャレンジしようという気持ちがとても強かったように感じた。リコーダーを吹いたことのある子供もいたが、吹いたことのない子供の「リコーダーをやりたい」という気持ちは本当に強かった。普段からCECでたくさんの講座を受けているからか、新たなことに物怖じせずに挑戦する姿は非常に印象的であった。
これらのことから、学校で国語や算数などの基礎教科がメインであるラオスにおいて、子供達の可能性を広げるためにも”子ども文化センター”の役割は大変重要だと考えた。たしかに、教育環境の整っていないラオスにおいて学校環境の整備を優先しなければならないという理由も理解できる。しかし、それだけではなく、それとともに感性の豊かな子供達を育て、ラオスの将来を担って行く子供達の可能性を広げることもまた重要であると感じた。まだまだ学校で基礎教科中心のラオスにおいて、子供達の可能性を広げるために”子ども文化センター”の活性化は大切であると感じた。


生田目美佳さん(大学3年生)
 この活動を通して私が一番感じたことは、子供たちには無限の可能性が広がっているということでした。この経験から、子供たちの可能性を十分に引き出すためには、周りの環境が大きく影響すると考えました。 つまり、周りの環境によって子供たちの可能性が閉ざされてしまうということも実感しました。子供たちが自分の可能性を十分に発揮できる場として、これからの教育現場の環境の変化に期待しています。
 また、最初は上手にリコーダーを吹けない子が、たくさんの練習を重ね、音が出た時の自信に満ちた笑顔はとても印象的でした。そして、教育の中で子供たちは様々なことを学び、考え、成長するのだと感じました。すなわち、より多くの子どもたちが自分の可能性を存分に出せる環境とそれを与える私たちの行動が必要だと思いました。また、困難に立ち向かった時、それを乗り越えられる力をつけるのも教育の役割だと考えます。


広瀬美奈さん(大学4年生)
 インターンでは、初め事務所のこども達の指が予想していた以上に小さく、音が出るかどうかとても不安でした。しかし、初めて触る楽器に苦戦しながらも、毎日一生懸命吹く姿やだんだん上達して嬉しそうに笑うこども達を見て逆に元気をもらう日々でした。CECのこども達は日頃から音楽に触れる機会が多いためか、初めてリコーダーを触る子も上達するスピードが速く、色んなことに触れる機会が多ければ多いほどやる気や自信に繋がるのではないかと感じました。最後の発表会では、緊張しながらも一生懸命リコーダーを吹く姿を見て、とても胸が熱くなりました。私たちの活動はたった2週間という短い間でしたが、この2週間の経験がこどもたちの中に反映されれば嬉しいです。
 約1ヵ月ラオスに滞在して感じたことして、街が急速に発展しているということです。去年と比べても車の量が多くなり、交通量や路上駐車する車が多くなったと感じました。モールやショッピングセンターも増え、メコン川沿いもきれいに整備されていることにとても驚きました。でも、ラオスの人達の優しい部分や心が温かい部分は変わらず、ラオスの人達の良い部分もまだまだ残っていることに安心しました。


(報告:ラオス事務所 秋元波)

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