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集い遊び学べる場を作る
 子どもセンタープロジェクト

子ども文化センター/子ども教育開発センター(CCC/CEC)

ラオスの学校教育では、国語や算数の授業が中心です。日本などでは情操面の教育として重視されている、音楽や図画、工作などは、学校の教科としてほとんど行わず、また指導者も育っていません。ラオスの公教育では、物事を「写し習い暗記する」ことが中心。自分で見たこと、感じたことを表現する訓練があまり行われていません。

このような子どもたちの状況に心を痛めた当会の代表と、現地ラオス人たちは、「ラオスの学校教育では行われていない、表現活動に接することができる施設をつくり、子どもたちの教育環境を変えよう」と発案。1994年にヴィエンチャンに「子ども文化センター(Children's Cultural Center=CCC)」が設立されました。

センターには連日100人近くの子どもたちが集まり、様々な教育活動が展開され、全国の教育関係者の間で注目を浴びました。その後、地方でも、情報文化局や教育委員会が中心となり、相次いで「子ども文化センター」が設立されました。

支援CCCの所在地をあらわす地図 その後、子ども文化センターは全国で39ヶ所以上に広まり、「ラオスのこども」は、類似施設を含めて14ヶ所の運営を支援をおこないました。各地のCCCは、絵画・工作・演劇・伝統舞踊・伝統音楽などの教室プログラムや図書室の運営を行っています。

さらに、近年、都市部を中心に悪化する麻薬・売春等の社会問題に対し、子どもたちが様々な危険から離れ、安心して過ごせる場所、表現活動を通じて生きる力を身につける場所として、また、「子どもの権利条約」にうたわれる子どもの権利を守り、進める場所として、センターは重要な役割を担っています。読書や自己表現などの活動を通じ、子どもたちが自分で自分を守る知恵や判断力、知識や情報など、「生きる力」を育み、危険から逃れるすべを身につけ、自分の人生を選択できるようにしていくことがますます必要とされているのです。

各センターは、各地の自治体が責任を持ち運営しています。当会では現在、運営費の定期的な支援はおこなっておらず、人材育成のためのスタッフ研修やイベント実施経費などの支援をおこなっています。

「子どもセンター」は、どんなところ?

以下は、これまでに当会が運営支援をしたセンターを掲載しており、活動内容は、支援当時(2010-2013年)のものです。
ヴィエンチャン子ども教育開発センター(ヴィエンチャン都チャンタブリー区)

ヴィエンチャン子ども教育開発センターの外観です2005年に首都ヴィエンチャンの教育局の敷地内に設立。「ラオスのこども」が支援をするセンターでは最も新しい施設です(前身であるヴィエンチャン子ども文化センターは1994年に設立されています)。都市化のすすむ街中にあり、麻薬・売春等の悪化する一方の社会問題に対して、子どもたちが様々な危険から離れ、安心して過ごせる場所として、重要な役割を担っています。
(センター建設支援:日本NGO支援無償資金協力)

サイヤブリ県子ども文化センター(サイヤブリ県サイヤブリ郡)

サイヤブリ県子ども文化センターの外観です1994年に設立。活動歴が最も長いセンターのひとつで、ラオス社会に貢献し続けています。国内でもその活動はよく知られ、CCC活動のモデルに。また、熱心な教育関係者が多く、読書推進活動において県内の中心的役割を担うなど、自主的な活動が進み、他県からも注目を集めています。子ども文化センターの活動も盛んです。そのため、常に改善・発展を心がけています。

ボリカムサイ子ども文化センター(ボリカムサイ県パクサン郡)

ボリカムサイ子ども文化センターの外観です1994年に設立。ヴィエンチャンの東側に隣接するボリカムサイ県の中心地パクサンにあります。ヴィエンチャン、サイヤブリと同じく、活動歴が長いセンターのひとつです。全国にひろまったCCC活動の先駆けとして、安定した活動を続けています。

ルアンパバン子ども文化センター(ルアンパバン県ルアンパバン郡)

ルアンパバン子ども文化センターの子どもたちです街並みがユネスコの世界遺産に登録されている古都ルアンパバンの中心部にあります。同市へは、近年、首都ヴィエンチャンを経由せずに、バンコクやチェンマイなどから空路で直接入国できるようになり、観光地として急速に整備が進んでいます。またゲストハウスが乱立、外国人観光客が急増し、誘拐や買春など、子どもたちを取り巻く治安の悪化が懸念されています。

センターに来る子どもたちの数が多く、平日にも講座が開設。青少年ボランティアによる県内遠隔地での活動が盛んで、広い範囲へのCCC活動の波及を担っています。

シーサタナーク子ども文化センター(ヴィエンチャン都シーサタナーク区)

シーサタナーク子ども文化センターの子どもたちですヴィエンチャンの市街地から車で15分ほどの小学校に開設されています。設備や備品、講師が不充分な中で、熱心な担当教員が工夫を重ねて活動していて、小規模ながらも注目されています。貧困などの家庭の事情で学校に通えない子どもたちの補習授業なども独自に行っています。

ゲンタオ郡子ども文化センター(サイヤブリ県ゲンタオ郡)

ゲンタオ郡子ども文化センターの子どもたちですサイヤブリ県の最南端に位置し、タイと国境を接する地域にあるCCC。県の中心部へ行くにも交通の便が悪く、ラオス国内よりも隣国タイへの往来がしやすいため、子どもたちの生活にタイ語が浸透し、ラオス語の習得以前にタイ語化が進むなど、文化的アイデンティティが危機にさらされています。

パクライ郡子ども文化センター(サイヤブリ県パクライ郡)

パクライ郡子ども文化センターの外観ですパクライCCCは、パクライ郡教育局の会議室を利用して活動が行われています。また、CCCの館長は教育局の職員であり、地域の人々と教育局が協力しながら、運営を行っています。小規模ながら継続した活動をしているセンターのひとつです。

ボーテン子ども文化センター(サイヤブリ県ボーテン郡)

ボーテン子ども文化センターの子どもたちですボーテンCCCは郡教育局とも近く、地域の人々と協力し合いながら運営しています。豊富な経験をもつ人物が館長や指導員を担当しており、順調な活動を行っています。一方で、地理的な問題もあり、他のCCCや団体との協力が充分にできていません。