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トピックとお知らせ

ラオス大好きインターン生のリコーダー&チアダンス教室



 2012年8月13〜27日まで、学習院女子大学の学生4名が、ヴィエンチャン都内の子どもセンターと事務所併設の図書館でインターン活動をしました。この内2名は、昨年もインターンとして活動し、他の2名もラオスに何回か来たことのある大のラオス好きの皆さんでした。学生達は、2週間にわたり、リコーダー教室とチアダンス教室を開催し、最後に2ヶ所の子どもたち合同の発表会をヴィエンチャン子ども教育開発センター(CEC)で実施しました。子どもたちが手作りした保護者宛ての招待状が功を成したのか、発表会にはたくさんのお父さん、お母さんがカメラを片手に来場し、我が子の晴れ舞台に釘付けになっていました。ラオスの学校には、授業参観、運動会や学芸会などの行事がないので、このように子どもたちの発表を観ることができるのも、子どもセンターの活動の特色です。


 1年ぶりにインターンのおねえさんに再会することができて、満面の笑みを見せる女の子もいれば、「大きくなったね」と声を掛けられ、はにかむ中学生になった男子も、みんなとても嬉しそうでした。図書館には約10人、CECには50人程度の子どもたちが集まり、リコーダーとダンスの練習をしました。

 子ども達は、CECにはチアダンスで使用するために作った魚のお面を、なぜかリコーダーの練習中からかぶりながら練習・・・。


 初めてのチアダンスでは、時間差で動作をするウェーブでも、ついつい隣の人に釣られ、みんな同時の動作になっていましたが、それもご愛嬌。最後にはまとまりのある出し物にまとまっていました。

 今、インターンの学生が去った現在も、図書館ではリコーダーがブーム。学生から教わった子どもが友達に教え、リコーダー奏者人口が増えています。おかげで、図書館はピポピポにぎやかです。インターンの皆さんにも、帰国後も、卒業後も、ラオスの子どもたちのことを気にかけてもらえたらとても嬉しく思います。 【ラオス事務所 秋元波】


インターンシップに参加した学生からの感想を一部ご紹介します。

加藤香具弥さん(大学4年生)
 音楽プログラムを開始して一番初めに感じたことは、去年も参加してくれた子どもたちが一年会わなかった間にすごく成長していたことです。去年は2週間かけて一曲を必死に覚えたのにもかかわらず、今年は二週間で二曲も完成させることができた子どももたくさんいて、子どもの成長の速さを実感しました。また、今年から音楽プログラムに参加してくれた子どもたちも、これから新たなことに挑戦するのにもかかわらず、恐れもせずに興味を持ち、チャレンジしてくれたことは嬉しかったです。成長が著しく、好奇心が強い子どもの時期にこそ、心を豊かにする音楽や劇や読書、伝統舞踊などの情操教育に触れることは重要なのではないかと強く感じました。去年の音楽プログラムでは、CECで音楽や舞踊などを受講している子どもと受講していない子どもでは表現力や行動力などに差があると感じ、そこに子ども文化センター運営の必要性を感じました。今回は、心も体も大きく成長し、色々なことを吸収しやすい子どもの時期にこそ、音楽や読書、劇などの感性を豊かにする環境を提供することの必要性を感じ、そこに子ども文化センターの意義を実感しました。興味関心によって成長が著しくなる時期に情操教育に触れるからこそ、感性が豊かになり、主体的に行動していく力を身に付けることができるのではと思いました。


佐藤歩実さん(大学4年生)
 「みんなで一つのものを作り上げる達成感を感じてもらいたい」という想いで行っているプログラムだが、リコーダーはどうしても自分で精いっぱいになりやすく周りに目を向けることは難しかっただろう。今年はチアダンスを加えたことにより、時間差で動く動きや、ウェーブなどの簡単な動きからみんなで一つのダンスを作ることができ、子どもたちがそこから少しでも達成感を感じられていたら嬉しいことである。  
 今このような施設は政府からも評価され、政府からの援助金が増えつつあるということをヴィエンチャン都CCCの副館長であるブンパックさんからお聞きした。しかし、まだまだ全体の予算は十分でないという。親の理解促進や支援をしてくれる企業の新規開拓を通じ資金を増やし、親も子どもも安心して通わせる・通うことができる施設運営を行い、ラオスの教育がより良いものとなっていってほしい。


堀口 菜奈子さん(大学4年生)
 インターンを通して印象的だったことがあります。リコーダーが得意な男の子が、終わった後も別の曲を教えて欲しいと言ってきたことです。忘れないようにノートに音階をメモして練習をしていました。このように何かに挑戦する場があることは、子どもにとって大きな影響を与えると考えます。CECの先生は「子どもたちに自信をもって話す、挑戦することが出来るようになってほしい」と話していました。ALCやCECへ遊びにくる子どもたちが、学校で学ぶような勉強だけでなく生きていく上で必要な力を身につけていると感じました。また、先生方と話をしていて、資金面等運営する上で様々な問題があることも分かりました。今後も、子どもたちの為にこのような施設が意味のある形であり続けてほしいと強く思いました。
 最後に、今回のラオス滞在では多くの方にお世話になりました。ALCのスタッフの方々や、通訳をしてくれたラオス日本センターの学生や、そのOB・OGの方等、私たちの活動が無事に終えることが出来たのはみなさんのおかげだと感じています。余談ですが、滞在時に”Japan Festival”が行われていて多くのラオス人が日本に興味を持ってくれている事を嬉しく思いました。


山下悠さん(大学4年生)
 大学最後の夏休み。自分の専攻である「国際協力」に深みをつけたいと思い、今回インターンの参加を決意した。2週間の活動の中で、子どもたちが日に日にできるようになっていく実感とそれゆえの自信に満ちた笑顔が印象に残っている。
 初日、子どもたちが発表会で披露するリコーダーとダンスを見せた。そのときの子どもたちの唖然とした顔、そして「できない」といった不安な表情に私たちも心配になった。そして、一週間があっという間に過ぎ、発表会までの残り数回の練習で形になるのかとても不安になった。しかし、リコーダーは習熟度別に曲を設定し、iPadを用いて自分たちのダンスを確認できる環境を整えた結果、子どもたちの成長は著しく変わっていった。さらに、日頃から小さい子たちの面倒をみる「子どもたちの中のコミュニティ」が私たちの活動を後押ししてくれた。「簡単な曲ができた→難しい曲ができた→できない子に教える」といったステップを一人ひとりが踏んでいたからである。特に、わたしが教えていた中級クラスのリコーダーはできる子とできない子の差が大きく、一人で20人弱の子どもたち全員を丁寧に見ることはできなかった。私の指導をみかねた子どもたちの優しさなのかもしれないが、全員が一つのものを創り上げる雰囲気を強く感じるシーンだった。
 そして、発表会に堂々と自分たちのリコーダーとダンスを披露する子どもたちを見て2週間分の疲れが抜けると同時に現場に居なくては感じることができない子どもたちの成長を見ることができた。教育とりわけ情操教育というのは、数字や指標を使っての評価は難しい。そのため、後回しにされがちであり、その必要性を訴えても理解されるまでに時間がかかったりする。したがって、私がこの短い間で子どもたちに教えることができたことは、ほんの少しであり種を蒔いただけにすぎないことも感じた。だが、子どもたちがこの活動の中で得た自信や日本人と楽しく過ごせた時間が、大人になっていく過程で何か実になればと願っている。残りの学生生活、そして社会人になってからもラオスを見守っていきます。


※インターンの活動については、ブログ記事『ラオス時間』もご参照ください。


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