トピックとお知らせ
ラオスのこども(ALC)の仲間たちからの
40周年 お祝いメッセージ 全文掲載
あっという間の40年。本当に多くのみなさまにご支援をいただき、一緒に学び歩んでこれたこと感謝しております。
『ラオスのこども通信』82号で紹介していますように、ラオスや日本で、ともに活動し支えてくれた仲間たちからお祝いのメッセージが届きました。以下、誌面に入りきらなかった分を含め、いただいたメッセージ全文を掲載いたします。
■ダラー カンラヤさん 作家 子ども文化センター初代館長
記憶になるALC
私は、作家で、人々には、書いたお話を読んでもらいたい。独立を失うと国の言葉も失うのだと、ラオスの歴史は教えてくれた。だからラオス人は自分の国の言葉に信頼がない。1960-1970年代までは、行政や言葉も植民地された国の管理下にあった。1980年代になると小学校や中学校でラオス語を教えるが、未だレベルが低かった。
運良く、1989年にチャンタソンに会えて、一緒に話してお互いのことを理解し、すぐに意気投合した。その時、ちょうど私たちワンナシン(文芸)の作家たちは、ヴィエンチャン市内の中学校で読書推進活動をしていた。その時、チャンタソンが100ドルを寄付してくれて、励みになった。それによってASPBとワンナシンが深い関係になった。
その後、子どものための本を出版し、CCCやCECを設立し、子どもの作品を書く作家や画家の研修を実施した。読書推進プロジェクトの下で本を調達し配布をした。
私たちはALCや東京から来た専門家や友人たちからたくさんの経験をもらい成長させてもらった。それらの活動を通じて、ラオスの子ども達の教育のレベルを引き上げることになり、特に、ラオス語の教育と身の回りの総合的な知識を広げてくれた。
ALCの素晴らしい成果を高く評価する。ALCは、ずっとラオス全国の子ども達に継続的に残る教育、読書の楽しさという素晴らしいプレゼントをくれた恩を忘れない。ALCが安定的な活動ができるように、皆の心の中に永遠に残るように祈っている。
■安井清子さん ラオス山の子ども文庫基金代表
40周年おめでとうございます。
私自身もラオスの子ども図書館活動に従事してきましたが、1990年代には、ALCの皆さんと地方を巡回しました。あの頃は道路も大変、元・霊安室に泊まる羽目になったり…と、サバイバル。でも、大勢の子どもたちに絵本を読み聞かせする時の幸せは何にも勝るものでした。本を作り、届け、読書の楽しさを伝える努力を重ね、活動を発展させてきたALCには尊敬の念を頂いております。これからもラオスの図書館活動を先導して頂きたいです。
■ドワンドアン ブンニャヴォンさん 作家 教育アドバイザー
幸運にもALCと何十年も一緒に様々な活動をすることができた。会の発起人、そして今まで活動をしてきたすべての日本人とラオス人スタッフの健康と多幸を祈る。
計画通りに物事を進められない困難に直面しているが、今までの経験でこの危機的な状況を乗り越えられることを信じている。
初めのころ会の事業には、いろいろな障害や困難があった。国立図書館の読書推進プロジェクトで各NGOに地域が分けられ、地方の大きな町や小さな町、僻地の学校に本を届けるのに同行した。ルアンパバンからルアンナムターへ行く山の尾根沿い、前日の台風による地滑りで道路が大きな石で塞がっていて、作業員の人たちが整備をしていた。私たちは予定を変更してルアンパバンに一泊して、幸運にも事故にあわなくて済んだ。別のグループは船で行き、川底の岩に船がぶつかってやむなく川の中の島に泊まることになった。幸い、誰もケガはなく、本も一部濡れただけだった。
また、連絡がうまくとれず、村に着いたけれど泊まるところがなく、仕方なく蚊とネズミと戦って一睡できないこともあった。
お客さんを歓迎して飲み食いをする村もあって、そのときは堪忍の緒が切れて本を渡したくないこともあった。
しかし、本の受け取りとストリーテリングを学ぶ研修に参加するために遠いところから歩いてきたり、ロバを連れてきたり、リヤカーを押してくる小学校の先生の顔を見ると、今までの疲れ、悲観がなくなり、先生方といろいろな交流をしながら、会が出版した本を楽しく紹介した。
この何十年間、とくに1990年から2000年、陸路、水路と空路で北に行ったり南に行ったりした中で、ケガや死亡事故に遭わなかっただけでも不思議な気がする。これも私たちが今まで積んできた、良いことや人のために役に立つという善い行いのおかげだと思う。
ASPB/ALCと仕事をしてきた中で、いろいろな日本人の芸術家、作家、支援をしてくれた人、読書に共感する方々と仲良くなった。児童文学作家、ストーリーテラーであったウティン ブンニャヴォンは、会の理念や目標とするものを広めようと、教員養成学校の学生や仏教徒の若者たち数千人に読書と作文の研修をしてきた。会はラオスで作家や画家を数多く養成し、本を作るだけではなく、何万何十万人の小・中学生に読書を通じて自己開発を学ぶ機会を与え、これからの社会に長きにわたって良い影響を与えるだろう。
ウティンと私が誇りをもってラオスの文学の園に足を踏み入れ、子どものためのストーリーを書く能力を開発することができたのは、会の活動に参加してこそである。
■後藤知明さん 活動会員
40周年おめでとうございます ―継続は力なり
1.「古本リサイクルで国際貢献」をスローガンに、1993年に自治労町田市職内に古本リサイクル委員会を作り、町田市本庁内に「古本コーナー」を設置しました。私も手がすいたときに本の整理・補充をしました。新庁舎移転後も一年の空白を経て「古本コーナー」が再開できました。多くの市民からの古本の提供、市の理解もあり、活動は30年近く続いています。微力ですが、当初より貴職に寄付をしてきました。
2.私は貴職の個人会員として、行事参加、総会での発言、寄付を10年来してきました。
3.貴職は、中規模?のNPOでは、職員が充実しています。職員の育成はNPO活動の根幹であり、そのためには給与を含めた生活の安定とスキルアップが肝心です。
この2年のコロナ禍で、貴職も事業もほとんど行えず、自己資本も潤沢にあるわけではなく、大変厳しい状況にあると推察されます。40年の実績と信頼を基礎に、きしょくの更なる発展と継続を期待しています。『継続は力なり』です。皆さんと一緒に資金調達・組織拡大を少しでも進めましょう。
■ブンテン サイサイディーさん ヴィエンチャン県教育局 県立図書館副館長
ASPB(ALCの前身)と初めて関わったのは1992年。当時私は中等学校の教師で、2008年県教育局に異動し、足掛け30年のお付き合いに。今ではALCの支援で県内38の学校図書室と12の地域文庫ができ、研修で先生や生徒が成長していくのが本当に嬉しく、ご尽力に感謝します。現場の私たち県郡教育局や学校と一緒に活動を進めるのがALCの長所。図書室改善や次世代の人材育成も含め、今後も県内の図書室設置や発展にご協力お願いします。
■やべみつのりさん 紙芝居・絵本作家
27年前のある日「天から降ってきた禍だと思って、ラオスに行っていただけませんか」。会の代表のチャンタソンさんからの電話が始まりでした。僕は海外の国に行った事も、ラオスという国がどこにあるのかも知りませんでした。ヒコーキに乗ってラオスを訪問したとき、なぜか子どものときの風を感じました。今は、ラオスという国の人々のすてきな笑顔に、豊かな自然に、文化に、親しみを感じ大好きになりました!僕の作った紙芝居や絵本を楽しんでくれている事をうれしく思います。「禍転じて福となる」。40周年、おめでとうございます。
■長野ヒデ子さん 絵本・紙芝居作家
[ 写真:品田裕実さん ]
私の生まれた村には図書館も本屋さんもなく、大人になって絵本を読むようになりました。絵本や紙芝居は子どもの物だけではありません!子どもにも解る言葉で書かれた、赤ちゃんからお年寄りまでのもの。そしてその人を大きく育ててくれる力があるのです!「絵本も紙芝居」も「ごはん」と同じです!絵本を読む。紙芝居を楽しむ。これこそ平和そのもの。モニャモニャ戦闘機を多額のお金で買ったり、美しい海を埋め立てるのは平和のためと言うこの国。絵本を読んで、紙芝居を演じてあげたい!「えほん」は「ごはん」ですもの。
■沖電気工業株式会社 グループの社員、ご家族のみなさん
活動40周年、誠におめでとうございます!これからも末永いご活躍をお祈りいたします。
弊社では22年前から「ラオス語絵本を作って現地の子どもたちに贈ろう!」と題したイベントを協働で実施してきました。これまで延べ734名の社員や家族が参加し、1,651冊の絵本を子どもたちに届けることができました。また、グループ内で賛同する社員から毎月募金を集めて社会貢献活動に活用する「OKI愛の100円募金」からの支援では、これまで10タイトル42,300冊の図書出版や、5校の学校図書室開設をおこなってきました。これまでの支援が、ラオスの子どもたちにとって生きる力となってくれることを願っております。
■米山芳春さん 元JICAラオス事務所長
こんにちは、2021年3月までJICAラオス事務所長をしておりました米山です。この度は、「ラオスのこども」40周年、誠におめでとうございます。JICAもラオスの開発のために長年事業を行っていますが、子どもたちの読書推進活動といった草の根の活動は、長い間地域に根差し地道に活動を続けて来られた「ラオスのこども」との連携があってこそ、成果につながっていると考えています。ラオス滞在中は、私も何度か現地事務所を訪問させていただきました。昨年は、子どもたちのために、コロナ禍でも一刻も休まず活動を続けている姿に感銘を受けたことを覚えています。これからも、ラオスの子どもたちのために、共に手を携えて歩んでいけたらと思っています。
■下田尊久さん 元藤女子大学准教授 図書館専門家
祝40周年。2017年初めてヴィエンチャンを訪れ、この会が続けてきた絵本づくりや図書室開設の実績を目の当たりにしてその活動の意義を深く理解しました。それぞれの民族が地域で育んだ文化には、それらの知恵を世代、地域、民族間で繋ぐため共有する媒体が必要です。絵や文字がつまった「本」が果たす役割をあらためて強く感じました。いまその活動が中等学校の教育にも及んでいます。この会の益々の発展とスタッフの一層のご活躍を祈ります。
■ノイナー マニーヴォンさん 元SCG奨学生、ラオス国立大学卒業
SCG奨学金とALCとの出会いが私の人生を変えました。高校・大学と勉強を続けることが叶い、図書館では沢山の本に出会い、知識を得たり調べたりする面白さを教えてもらいました。昨年大学を卒業し現在は、将来弁護士になるのを目指して法律事務所に就活中です。今の子ども達には学びの大切さと、自分の頑張り次第で人生を掴めることを伝えたい…そのためにもALCがラオスの子どもたちのために活動を続けてくれることを願っています。