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プロジェクトの背景

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私たちは、ラオスにおいて、読書推進活動と子どもたちの「居場所」を作る活動をしています。どうして、このような支援を私たちはしているのか、まずプロジェクトの背景に触れておきます。

ラオスの教育環境整備の遅れ

ラオスではフランスの植民地時代のラオス語軽視の教育政策やヴェトナム戦争の影響による経済の疲弊、山がちな地形、多民族国家であることなど、歴史的、経済的、地理的、様々な要因で子どもたちの教育環境の整備が遅れています。また、口承文化の伝統が強く、文字文化が発達してこなかったため、読書が習慣化されていません。

子どもたちの文字習得の遅れ

多くの地域では、家庭にはもちろん町にも書店や図書館がないため、子どもたちが図書を通じて文字に親しむ機会はほとんどありません。よって、小学校に入学して初めて文字を学習するという子どもが多いのが現状です。また、教科書が生徒1人に1冊ずつ行き届いている学校は、ラオス全国平均で10%程度しかありません(私たちによる聞き取り調査 2002-2004)。多くの学校では複数の生徒に対して1冊しか教科書がなく、地域によっては教員しか教科書を持っていないという学校も珍しくない状況です。

このような状況の中で、それまで全く文字に接していなかった子どもたちにとって、学校の授業の中だけで、文字を習得することは容易なことではありません。

1年生の高い落第率

文字の習得につまずくと、子どもたちは進級試験に合格できず落第してしまいます(ラオスは小学校でも進級試験制度を取っており、不合格となると同じ学年をやり直す)。ラオス教育省統計によると小学1年生の落第率は30〜40%となっており、他の学年が10%〜20%なのに比べて極端に高い状況です。また、落第した子どもたちの中には、そのまま学校をやめてしまう子もいます。子どもたちの文字の習得の遅れは、ラオスの基礎教育普及の大きな壁となっていると言えます。

子どもたちの居場所

ラオスの学校教育では、まだ、読み書き算盤が中心で、それも、暗記教育がほとんどです。そのため、学校が楽しくないと感じている子どもたちがたくさんいます。また、社会が変化する中、薬物汚染、ストリートチルドレンなど、子どもたちの都市型の社会問題も見られるようになり、学校教育の場以外で、子どもたちが集い遊び学べるシェルターとしての場が必要とされるようになっています。

私たちのラオスでの活動

私たちは、このような状況を改善すべく、学校を中心とした読書推進活動の支援と、全国各地での子ども文化センターの設立、運営支援を行ってきました。読書環境を向上させることで、子どもたちが本を通して自らの世界を豊かにし、人生を主体的に選択していく力を身につけること、子どもたちの居場所での学びにより、自らが主体となって表現、発言できる力を身につけることをめざしています。