トピックとお知らせ
学習院女子大学 ラオスのこどもボランティア2014 活動報告
〜リコーダー&ダンス教室〜
2014年8月20日〜8月30日までの期間、学習院女子大学の学生5名で、ラオスのこどもラオス事務所併設図書館(以下ALC)とヴィエンチャン子ども教育開発センター(以下CEC)でボランティアをしてきました。この活動は、先輩方から引き継がれ今年で9年目を迎えました。
ラオスの学校教育では音楽などの情操教育が導入されていなく、子どもたちが音楽に触れ自己表現する場が少ないのが現実です。そんな中、私たちは10日間上記の2か所でリコーダー&ダンス教室を開催し、子どもたちに音楽の楽しさを伝え、自己表現や達成感を味わってもらえるようこのプロジェクトをスタートしました。
ALCでのリコーダー教室の様子。学年の大きい子と小さい子とでレベルに分け練習しました。一つの曲ができるようになると「もっと難しい曲やりたい!」などと向上心が見てとれました。
こちらはCEC。なんと、今年は中学生・高校生の子たちは重奏に挑戦!!
ダンス教室ではALCはアンパンマン、CECはハイスクールミュージカルを踊りました。CECのこの鳥の動きのようなおかしな振付はみんなが考えてくれました!
リクリエーションとしてシャボン玉やじゃんけん列車も行いました。子どもたちはやっぱりゲームや遊びが大好きで本当に楽しそうです。
みんなで撮った集合写真。今年は、ひとりひとりのレベルに合った発表ができ、質の高い発表会になりました。一つのことを作り上げる楽しさ、達成感を子供たちの笑顔から感じることができました。
今回の活動は沢山の方のサポートがあってこそ終えることができました。本当にありがとうございました。
最後に、学習院女子大学の5名の学生からボランティアの感想です。
■木内綾香(大学4年)
「もう一度、子どもたちに会いたい」そんな思いから2度目の参加を決意した。1年ぶりの子どもたちは、見た目だけでなく、中身もお兄さん、お姉さんになっていた。去年はリコーダーに1回も触れることなく遊び回っていた男の子が、熱心にリコーダーを練習している姿や、一曲覚えるのがやっとであった子どもたちが次から次からへと新しい曲をマスターしていく姿は特に印象的であった。
1年経って改めて見えてきたことは、このプログラムを継続していく意義である。来年からは社会人になるため、直接現地にいくことは難しくなるが、いずれこのプログラムがラオスのこどもたちだけで行えるようになるまで、サポートしていきたいと思う。
■森晴菜(大学4年)
いわゆる途上国への渡航は初めてではありませんでしたが、ラオスについてはプロジェクト参加を決めるまでは東南アジアの一国程の認識しかありませんでした。参加を決めてから3か月間歴史や文化等について学び、ラオスのこども達に2週間という短い期間のプロジェクトで何を提供出来るのかを考え準備を行ないましたが、プロジェクトを終え強く感じるのは提供した事よりも子どもたちから学んだことの方が多かったということです。渡航前ラオスでは情操教育の実施が十分ではないと言う事を知り、僅か2週間でどのようなことが出来るだろうかという不安な気持ちもありました。しかし、実際にリコーダー教室を始めてみると学校での教育の有無、普段からの土台の有無に関わらず、準備していった楽譜が足りなくなるほどの上達の速さで、子どもの吸収力の凄さがどれ程かということを目の当たりにしました。このことでリコーダーに限らず吸収力のある小さい頃に様々な事に挑戦できる環境がある事で、将来の選択肢がどれ程広がるだろうかということを考えさせられました。本プロジェクトは現在年1度の開催でありまた期間も短いですが、より目的を明確にし、継続的に提供することでわずかながらでもラオスの人々を支えていくことが出来る様、今回をきっかけとして私も引き続き活動をしたいと思います。
■吉田千織(大学3年)
私のみ、このボランティアへは途中参加となった。今回私は海外自体7年ぶりで、ラオスへ行くことやラオス人とうまくコミュニケーションがとれるのかなど、あらゆる面において不安であった。だが、子どもたちはそんな私にとびっきりの笑顔で接してくれ、それまで思っていた不安が一気に吹き飛んだ。言葉は少ししか通じないものの、毎日充実した日々を送ることができ、勇気を出して参加してよかったと思う。ラオスの子どもたちはリコーダーを教わる環境があまりないだけで、このような機会を少し与えるだけでこれほど急激に上手になるのかと、子どもたちの潜在能力を感じながら活動した。数値に表しにくく、後回しにされがちな情操教育であるが、そういった場に自分を置いてみることで、ラオスの子どもたちの教育事情を身近に感じることができ、めったに得られない経験をすることができた。日常の様々なことにアンテナを張る、好奇心旺盛な子どもたちには、音楽などの情操教育によって自分の可能性を広げてほしいし、私たちの活動がほんの少しでもその手助けになって、子どもたちの小さなきっかけの一つになってくれればいいなと思う。
■狩野佑紀(大学2年)
二週間弱というのはあっという間で、そんな中で子ども達は積極的に取り組んでくれ、発表会からは子ども達のこれまでの短期間での吸収力や成長が伺え、感極まった。
今回の活動で特に印象に残ったことは意欲的な子ども達の姿だ。出発前は、子ども達がリコーダーやダンスに興味を持ってくれるかなどと不安を抱いていた。しかし、挨拶 と打ち合わせをかねて訪問した初日、教室は次の日からであったが、ALCとCECでは リコーダーを持ってやる気満々の子どもたちがいた。CECでは毎日、まだ教室が始まる前にもかかわらずリコーダーをピーピー鳴らし自主的に練習していた。ダンスも、当初の予定よりも驚くほど早く進んだ。また、この活動に以前から参加してくれている子ども達も何人もいた。彼らは今回、より難易度の高いリコーダーの曲に挑戦したり、他の子に教えてあげたりしており、そこから、活動の継続の重要性や意味を感じることができた。
ラオスを初めて訪れて、発展途上国といわれているけれど、精神的に豊かな国であると感じた。それは子ども達や現地の人々との触れ合い、彼らの優しさや温かさを感じたことが一番大きいと思う。しかし、今回我々がした活動にもあるように、情操教育といった多様な可能性や価値観を広げる機会が少ないこともまた現実としてある。子ども達の楽しそうに熱心に取り組んでいる姿を見て、やはり、算数や国語といった基礎教育の他にも情操教育など子ども達が自己を表現し、彼らの様々な可能性が広がるような環境や機会を提供することの大事さを実感した。短い期間ではあったが今回の活動が、子ども達のこれから成長し大人になる上で、少しでも意味のある経験となってくれればいいと願う。
最後に、今回の活動でお世話になった方々、有難うございます。
■根岸琴季(大学2年)
私が今回のボランティアで感じたことは「続けていくこと」の大切さです。間が空いてしまった時期もありましたが約10年続いているこのプログラム。正直、同じことを毎年続けていくことに意味があるのだろうか、と思う自分もいましたが、今回のボランティアでそれは違うことに気づきました。
まず、子どもたちの実力が確実にあがっていました。今年が初めての参加という子も沢山いましたが、去年一昨年と続けて参加してくれている子は基礎ができており、初めからレベルの高い曲を教えることができました。また、上手な子ができない子たちに教えるといったことも去年一昨年と比べてもスムーズにできていたように思います。ダンスにおいては、恥ずかしながらも満面の笑顔で踊る姿から自己表現することの楽しさを感じているようにとれました。このようにたとえ小さなことかもしれませんが、確実に子どもたち、スタッフの方に音楽の楽しさ、素晴らしさが伝わっているように感じました。
続けていくことは地道で大変ことですが、私も今回で終わりにせず、来年再来年も引き継げられるようにこの活動に関わっていきたいです。そしてこの活動がもっと良いものになるよう努力していきたいです。
最後になりますが、ラオスは本当にいい所でした。どこまでも広がる大きな空、豊かなメコン川、おいしいラオス料理、そして何よりも温かいラオスの方たち。ラオスの雰囲気にとても心が癒されました。ぜひ、また訪れたいです。今回、未熟な私たちをサポートしてくださった沢山の方に感謝申しあげます。本当にありがとうございました。