本をつくる・図書出版プロジェクト
ラオスは口承文化が伝統であったこと、長期間、植民地であったことなどにより、文字文化は余り盛んでありませんでした。現在でも本の出版は活発でなく、特に子どものための本は不足しています。
私たちは、1990年に初のラオス語の絵本『ビックリ星』を出版して以来、ラオス人作家・画家によるラオス語の作品をラオス現地で出版してきました。その内容は、創作絵本、なぞなぞ、生活冊子、古典の再刊、絵解き辞書、昔話、歴史書など多岐にわたり、再版図書を含め、2021年末までに出版した本は、延べ228タイトル、92万冊にのぼります。
本ができるまで
本は、次のようにして作られます。
- 出版する作品を選びます
出版候補の作品は、作者本人から持ち込まれるものもあれば、テーマを決めてコンクールを開催して応募してもらう場合もあります。こうして集められた作品の中から、出版するものを選びます。作品の選択は、原則として、現地事務所がラオス人アドバイザーと相談の上、決定します。 - 原稿の手直しをします
文章が正しいラオス語となっているか、対象年齢に合わせた表現となっているかなどを検討した上で、作者に手直しを依頼します。絵についても同様です。手直しは、必要に応じて、何度も行います。 - 編集をします
文章や絵の原稿が揃ったら、表紙デザインやページレイアウトを依頼します。 - 出版許可をとります
出版用の原稿ができあったら、ラオス情報文化省出版許可局に届け出て、出版許可を得ます。 - 印刷をします
ヴィエンチャン市内にある印刷所で印刷します。
出版物リスト
「ラオスのこども」が2012年までに出版した本のリストをご覧になれます。
左の画像をクリックすると「ラオスのこども」が出版した「本のリスト」をダウンロードできます。
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人を育てる
私たちの活動は、将来ラオスの人々によって担われてゆくべきだと考えています。そこで、私たちはそれぞれのプロジェクトのなかで、担い手の育成をおこなっています。
これまで、絵本作家、造形作家、絵本編集者など日本の専門家の協力のもとで、紙芝居セミナーや絵本セミナー、民話絵本セミナー、編集者養成セミナーなどを開いてきました。また、子ども文化センタースタッフや教育関係者を対象にした啓発セミナー、スキルアップセミナーなども継続的に開いています。
さらに全国の教員養成校において、読書推進プログラムを提供し、全ての学生が読書推進の大切さを学び、訓練を受けて卒業するようになりました。
これらに加え、ラオス人自身による創作活動を活性化する目的で、若手作家の発掘するコンクールを開催し、優秀作品を出版することにより、若手の作家・挿絵家の育成をおこなっています。