これまで出版した本と紙芝居
30年にわたる活動の中で、私たちは多数の本をラオスにおいて出版してきました。ここでは、その一部をご覧いただきます。
本
「ぼくはどこへいくの」(2012年:第2版5,000冊)
作:森透 絵:やべみつのり 翻訳:チャンタソン・インタヴォン
ビニールぶくろくんとバナナちゃんの小さな冒険と別れの物語。
バナナちゃんは土にかえることができるけど、ビニールぶくろくんはいつまで経っても土にかえることができません。バナナちゃんは土の中で、新しい命を育てる栄養になるけど、ビニールぶくろくんは、、、。楽しく読みながら身近な環境に関心をもってもらおうという絵本です。
「カンパー(孤児)と歌うジャコウネコ」(2012年:改訂第2版3,000冊)
作:ドアンドゥアン・ブンヤヴォン 絵:ヴォンサヴァン・ダムロンスック
ラオスの昔話。ある日、森で出会ったジャコウネコを孤児のトンが助けてあげます。ジャコウネコは美しい声で歌を歌い、そのお陰でトンはお金持ちになります。それを妬んだ幼なじみの男は、ジャコウネコを殺してしまいます。
ジャコウネコの死を悲しんだトンは、骨で櫛を作り、その櫛で髪をとかすと、なんと金がバラバラと出てくるではありませんか!でも幼なじみの男がその櫛でとかすと、髪がバラバラと抜け落ちてしまいます、、、。死んだ後も、ジャコウネコが正直者の孤児を助けてくれるというお話です。
「サンシンサイT」(2010年:初版2,060冊)
「サンシンサイU」(2011年:初版1,050冊)
作:パンカム
民話を叙事詩として描いた17世紀の作品です。王子が悪者にとらえられた叔母を助けに行く民話を元に作られた5000行におよぶ詩がこの2冊におさめられています。ラオスの風物が目に浮かぶように絵画的に表現され、ラオスの人々に愛されてきました。作者のパンカムはラオスの国民的作家と称えられ、この作品は文学では初めて、国の文化財に指定されました。
「お星さまきらきら〜文字絵本3〜」(2011年:第2版3,000冊)
作:ドアンドゥアン・ブンヤヴォン 絵:挿絵コンクール入賞者9名の合作 アドバイス・デザイン:わかやまけん、大竹雄介
文字絵本は、ラオス語アルファベットに詩とイラストを合わせた絵本。文字を学び始める低学年向けのものです。先生が「大空にきらきら輝くお星さま」と詩を読むと、子ども達も「大空にきらきら〜」と声を揃えているうちに、いつの間にか暗唱できるようになり、言葉の表現も身につきます。
「なんのどうぶつ?〜文字絵本〜」第1巻・第2巻(2011年:第4版各4,000冊)
作:ドアンドゥアン・ブンヤヴォン 絵:絵本セミナー参加者7名の合作 アドバイス・デザイン:わかやまけん、大竹雄介
1997年の出版して以降、再販を重ねる人気作品。シンプルなラオス語の語彙で動物について詠った詩に、切り絵で作ったカラフルな絵を合わせた作品。ラオス語のアルファベットを楽しく学ぶため絵本。
「わらびをとりに」(2011年:初版4,000冊)
作:スックサワン・シーマーナ 絵:カンケオ・シーマーナ
ラオスに古くから住んでいたと言われるクム(カム)族の民話。孤児の男の子は、ある日、寝床にしていた大きな岩に「わらびを食べに一緒に行くかい?」と誘われ、わらびの谷へ行くことに、、、。
「カンパーとピーノイ(孤児と小さいお化け)」(2011年:改訂第3版2,100冊)
「カンパーとナンガー(孤児と象牙娘)」(2011年:改訂第3版4,550冊)
作:ドアンドゥアン・ブンヤヴォン 絵:ヴォンサヴァン・ダムロンスック
当会の出版物として最も多く再販されているタイトル。心優しいカンパー(孤児の意)を主人公にした物語を、二部構成で出版しました。
第一部では、ひとりぼっちのカンパーとお化け達が友達になり、お化け達が畑仕事を手伝ってくれるようになります。やがて、カンパーが命を助けてあげたピーノイ(小さなお化け)が、一緒に暮らすようになり、カンパーはピーノイのおかげで豊かな田畑と美しい妻を手に入れ、幸せにくらすようになります。
第二部では、貧しいカンパーが美しいナンガーを妻にしたことから、村人のやっかみを買い、さらには王様がナンガーを自分のものにしようと、次々と罠をしかけてきます。しかし、カンパーは妻の魔法で難を切り抜けます。ラオスにおいて、昔から広く語り継がれてきたお話で、出版した絵本はどの図書室でも貸出人気の上位となっています。
「人魚がくれたさくら貝」(2006年:初版5,000冊)
原作:長崎源之助 絵:山中冬児 翻訳:ドアンドゥアン・ブンヤヴォン
九州の漁村を舞台に、地元の少年と都会から来た少女の心温まる交流を描いた児童文学の名作がラオス語に翻訳されました。
「大きなニワトリ」(2006年:初版5,000冊)
作:サーシャ 絵:タータオ
カラフルな絵と簡単な単語で構成した小学校低学年向けの、オリジナル創作絵本。水色の馬、縞模様の水牛などが登場し、大きなニワトリとニワトリが抱える大きなタマゴを見守る…ちょっとおかしなファンタジー。
「こんな先生になりたい 〜先生の人生・理想の先生〜」(2006年:初版5,000冊)
学校教員は自らの「人生」をテーマに、中高生は「理想の先生」をテーマに、それぞれ書いたエッセイ集。2004年教育省主催のコンテストで選ばれた優秀作品の全20点を収録しました。
教員の部第1位の作品は、シェンクワン出身のモン族の男性の一代記。彼は代用教員からスタートし、後に教員養成校で学びます。そして民族学校で教えるうちに教育の重要さを再認識。最後には自分の村に戻り、学校を作って校長になるまでを描いています。中高生の部第1位の作品では、セコーン県の女子学生が、生徒と共に身体を動かしながら、様々な活動をする理想の教師像をいきいきと書いています。
「絵とき辞書」(2005年:初版10,520冊)
編纂:ドゥアンドゥアン・ブンニャボン
B5サイズ、368ページからなるこの辞書は、通常の言葉の説明の他に、ラオスの一般知識・伝統文化・動植物、世界の国々の一般知識、天体・人体の構造、数学・物理の主要な数式、世界の名所旧跡などの説明がイラストや写真で補足されていて、大人にもとても魅力的です。
「シートンマノラー」(2004年:改訂版5,000冊)
文:シーサヴィ・スワンニー 絵:ディムカー・スッタヴォン
ラオスの中編古典読み物。初版は1996年に出版しました。
「詩で読む民話」(2004年:初版5,000冊)
文:フンアルン・デンヴィライ 絵:ソンパヴァン・ケオミンムアン
ラオスの民話や世界の童話の計8作を詩で著した作品集です。
「長靴をはいた猫」(2004年:初版2,000冊)
原作:シャルル・ペロー 翻訳:絵 シッコー・ミラーコーン
おなじみの童話の翻訳版。ユーモラスでクセのある猫の絵が印象的です。フランス語協力センターとの共同出版は、「星の王子様」「おやゆび小僧」に続いて3作目です。
「ぼくを捨てないで 〜楽しいリサイクル工作〜」(2002年:初版5,000冊)
文:カンカープ・カンタマスヴァン 絵:セーングン・ブッダラー
使用済みプラスチック容器を使って、花瓶やおもちゃを作る方法を書いてあります。ラオスの小学校を訪れると、教室にプラスチック容器でつくった魚が飾られているのに出会うことがあります。楽しいイラストで、子どもたちに工作の楽しさとリサイクルを呼びかけます。
「雨もり」(1999年:初版5,000冊)
文:オー 絵:コンレー
暗闇の中で、泥棒とトラが鉢合わせするという楽しい民話。絵本作家わかやまけんさんのアドバイスを乞いながら制作しました。
「タオカムとつばめ」(1998年:初版4,000冊)
文:パンナリー 絵:コンレー
絵の作者は、「ラオスのこども」が実施した「絵本セミナー」の参加者です。セミナーで学んだ切り紙の手法を使って制作しました。
「シナーとユー 〜ルアンパバン地方のモン族の民話〜」(2010年:第2版5,000冊 2002年:初版5,000冊)
文と絵:ヴァンマイ
シナーとユーは2人姉妹。山道が大きな石でふさがれてしまい、困っていると、蛇が片付けてくれ、どちらかに嫁になって欲しいと言います。姉はいやがり、妹が蛇と結婚しました。ある朝、蛇は美しい若者に変身。すると姉は妬むようになり、妹を井戸や谷に突き落とします。ところが、妹は蛇の王子である夫の力で、いつも無事に帰ってきました。それを見た姉は、妹のまねをして蛇と結婚します。が、ある夜、蛇に飲み込まれそうになり、あわやというところで妹夫婦に助けられました。※
「トゥーノイヤー 〜モン族の民話から〜」(2002年:初版5,000冊)
文:ウッタイ・ソンチャルーン 絵:ヴッティ・シリポーン
若くして両親をなくした貧しいトゥーノイヤー少年。つらい日々のなか、親の遺言に従い、寝床の下を掘ると、馬・弓・ケーン(楽器)が出てきました。祭りの日、王様は人々に馬・弓・ケーンの技を競わせ、優勝者に国を継がせると告げます。そこで、トゥーノイヤーも出場したところ、見事に優勝を果たすことができました。※
「カンパー(孤児)と魔法のドラ 〜ヴィエンチャンはどうやってできたか〜」(2002年:初版8,600冊)
文:テップヌハック 絵:ヴォンサヴァン・ダムロンスック
寺で働く孤児は野菜を育てるように言われますが、水をやるのを面倒がっておしっこをかけました。ある日、お姫様が寺を訪れ、その野菜を食べて城に帰りました。やがて、お姫様には赤ちゃんが誕生。父親探しが始まると、赤ちゃんは、寺の孤児に向かってハイハイをしました。怒った王様は、お姫様と赤ちゃんと孤児を追放。3人が筏に乗って川を下っていくと、そこにドラを持ったサルが現れました。孤児がドラを叩くと村と村人が現れ、さらに宮殿が出現。ヴィエンチャンができた由来を伝えるお話です。※
※民話絵本3作品について
2000年にラオスで民話絵本制作セミナーを実施しました。絵本作りに興味のある人材を育成することを目的とし、終了後には民話絵本コンクールを行いました。新聞紙上で広く募集したところ、30作品の応募があり、2002年にその中から優秀作品3点を出版しました。
紙芝居
「ふうせんがほしい」(2012年:改訂版2,000部)
作:ヤーンナヴッティ・チャンタランシー 絵:セーンスリー・カッティヤサック
1993年にユネスコ・アジア文化センターの支援で出版されたラオス初の紙芝居の改訂版。人気が高く、リクエストが多く寄せられていたため、新たに絵を描きおこしました。
「青虫くん、葉っぱを探して」(2011年:初版3,000部)
作・絵:ソンペット・ケオヴォンサイ
2009年度、箕面紙芝居コンクールで、特別賞「大阪国際児童文学館賞」を受賞した紙芝居。お腹をすかせた青虫くんは、おいしい葉っぱを探して、よ〜いしょよいしょ。青虫くんは、おいしい葉っぱをみつけることができるでしょうか、、、。
「だれの仕事?」(2004年:初版1,000部)
作:センチャン
2003年3月に実施した「紙芝居コンクール」子どもの部の最優秀作品。学校の水道の水がポタポタたれている。それに気づいたバケツくん。「ねえ、スプーンくん、水がたれてるよ」。でも、スプーンくんは「ぼくの仕事じゃないよ」と行ってしまいました。ヒシャクくんに声をかけても、誰に声をかけても、みんな「ぼくの仕事じゃないよ」。バケツくんは、はたと気づきました。「あっ、ぼくの仕事だ」。
「誰の穴かな」(2004年:初版1,000部)
作・絵:コンサワン・シーチャントーンティップ
2003年3月に実施した紙芝居コンクール大人の部の最優秀作品。
「ラオスの紙芝居」(3巻1組)(1998年:初版2,000組)
- 『まるちゃんのともだち』 作 ボアワン
- 『さかなのおんがえし』 作 ブンルート
- 『いぼがえるとにわとり』 作 トンミー
現地作家の紙芝居作品を、初めて日本で出版。専門家派遣による「紙芝居づくりセミナー」を1995年から3回実施した成果です。日本のメディアでも取り上げられ、アジアの新しい紙芝居の動きとして関心を呼びました。参加者の作品を1年間添削指導し、1998年4月に日本の汐文社から出版しました。日本語とラオス語の2カ国語表記。
衛生教育紙芝居3部作
「サカナちゃんのお留守番」(2005年:初版2,000部)
作・絵:ブンルート・シヴィサイ
魚の視点からゴミの投げ捨て問題を考えさせる紙芝居。お母さんを待ちきれなくて、ひとりで探しに出たサカナちゃんが、空き缶に捕まったり、ビニール袋に閉じこめられたり、数々の危険に遭遇。最後は、帰ってきたお母さんに間一髪で助けられます。
「森のおばけと汚ない水」(2004年:改訂版2,000部)
作・絵 ブンルート・シヴィサイ
飲み水をテーマにした衛生教育紙芝居。
「家のまわりの冒険」(2004年:改訂版2,000部)
作・絵:ブンルート・シヴィサイ
トイレをテーマにした衛生教育紙芝居です。
絵本の中をのぞいてみよう!
表紙絵の画像をクリックすると、pdfファイルのダウンロードが始まり、その本の内容を見ることができます。
文字絵本1
pdfファイルのサイズ:3.7 Mbyte